訛り懐かし
近くのクリニックで診察を待っていたら、聞き覚えのある名が呼ばれた。
ふと顔を見ると、やはり若い頃の面影が残る同級生の男性だった。
向こうは私のことを知っているとは思えないが、私のほうは、その小学校低学年の教科書に出てくるような名前と、優等生というイメージを抱いていたので、おぼろげながら覚えていた。
お互い診察を終えた待合室で、彼がとなりに座ったので声をかけてみた。
「○○小学校と○○高校じゃないですか? 私のことはご存じないと思いますけど」
「ええそうですよ。小学生の時に○○小学校から付属小学校に転校しましたから、高校は同じだったんですね?」
彼は少し驚いて、知ってはいないのに懐かしそうに少し訛りのこる言葉で話す。
私はもっとひどい訛りの残る言葉で
「優等生だったんですね」
「いえいえ そんなことはないですよ」
なんて感じで会話が進んだ。
よくよく聞いてみると、お互い子どもが小学生のころ、学年は違うけれどスポ小で野球をやっていて、コーチの一員だった夫をよく知っているとのこと。
その上、彼自身が中学校の時には、付属中の野球部のキャップテンで、同じく○○中学校のキャップテンをしていた夫のチームと試合で戦っていたと言うのです。
窓口に呼ばれる10分ほどの間、話が弾んだ。
話しながら、お互いに訛りがいっそう強くなってゆく。
何十年経っても言葉の抑揚は、なかなか変われない。
訛り懐かし。
思えば、長い間故郷に帰っていない。
母校(高校)は、この城跡の側にありました。
鳥取市のHPより
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