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2008年3月30日 (日)

老いを見つめて②(診断)

立ちどまり しゃがんでみよう たんぽぽが 世界を見ている 高さになって                          
                      俵 万智 「花束のように抱かれてみたく」より

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大雪の日だったが、この日を逃すとまた長いこと予約が取れないので、介護タクシーをようやくケアマネージャーに見つけてもらって、診察に出かけた。
老人精神科外来は、待ち時間を入れるとほぼ1日仕事で、時間を充分とった問診、テスト、MR検査などなど。
生い立ちから始まるいろいろな質問は、、そばで聞いている私にも、矛盾に気づいたり、こんな風に思っていたのかと感じることが出来た。。

あんなにホームに行きたかったのに、元気がなくなった。
何にも、興味がわかないし、楽しいと思わない。
自分は役立たずの人間になってしまったことが悲しい。
ペースメーカーを埋め込んでから、不安が募る。
夫を亡くしてから何年くらい経つのか覚えていない。(30年経つのに、7年だと言う)
畑仕事が何よりの楽しみだったのに、野菜の名を間違える。

上の4つは想像していたが、下の2つは、「えっ?」と驚いた。

診断結果は、抑うつ症に加え、軽い認知症がはじまっているとのことだった。
認知症はまったく予想していなかった。
ときどき、時間や日にちを忘れる程度のことはあったけど、私達夫婦の忘れっぷりとさほど変わらない。
話の内容はつじつまがあっていたし、元気こそなかったが、相変わらずの聡明さをもって会話もしてきた。

高齢者の抑うつ症が認知症の前駆症状だったと後で気づくのはよくあることらしい。
「知っておきたい認知症の基本」川畑信也著(集英社新書)を読むと、
うつ病、抑うつ症、アルツハイマーなどの認知症の診断の区別は、大変難しいと書いてある。
認知がはじまるとうつ症状がでるのか、うつ症状が出始めると、認知症を起こすのか?
わからないけど、互いにリンクしあっているのではないだろうか?
高齢者のうつ症状は認知症より多いと言われている。

睡眠剤と軽い抗うつ剤の併用がはじまった。
ほどなく、相変わらず不安定な精神状態の中、熱が出た。
点滴を受けたが、熱は下がったのに寝込んでしまった。
このまま寝たきりになるだろうと思った。
介護認定を、要支援1から、介護2に上げてもらう手続きをした。
介護保険を利用して、電動ベットを借りたり、ポータブルトイレを買ったり、介護される側、介護する側、お互いの負担を少なくするよう、家での介護を組み立ててゆく。

その頃になると、私はさすがに疲れて、声が出にくくなったり、夜中に息苦しくなって目覚めたり、一人になりたいと泣いたりするようになっていた。
ケアマネージャーは、患者が二人にならないようにと、私のケアも心配してくださる。
母の笑顔に逢いたくて、一日夫に介護を替わってもらい、ホームへでかけた。
いつもお世話になっている介護師さんとしばらくお話して、介護のコツを教わった。

そして、ピンと気づいたことがあった。
この日を境に、ゆっくりだけど、大きく変化していくことになる。

 この記事は続くので、最終回にコメント欄を設けます。

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