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2007年8月16日 (木)

映画「善き人のためのソナタ」

本年度のアカデミー外国語映画賞「善き人のためのソナタ」を観た。
ミニシアター系の映画は、見逃すことが多く、この映画もDVDになるのを待っていた。

ベルリンの壁がまだあったころの話、と言ってもほんの20数年前の話だ。
旧東ドイツの反体制の芸術家の家に、国家保安省の手により盗聴器が仕掛けられる。
盗聴したことを、国家に報告する義務を負う職員は、毎日盗聴するうちに、自由な思想、恋愛、音楽、文学にひかれ、心ゆり動かされていくようになった。
ついには偽の報告書を書いて、芸術家達の、西側へ国を告発する運動が見つからないように手助けをする。
この告発は、この芸術家の恋人の死という犠牲を払いながら成功し、数年後の東ドイツ崩壊へ、少なからず影響を与える。

盗聴器から流れてくるピアノのソナタの音に感動して、国家保安省職員が涙を流す姿が、この映画の全てを象徴していた。

映画の中に、「レーニンがベートーベンの情熱のソナタを聴いてしまうと、革命を最後までやりおおせることが出来なかった」という台詞があった。

ほんとうにそうなら、世界中を美しい音楽で埋め尽くせばいい。

美しい花も、やさしい小鳥のさえずりも、きらめく緑も、紺碧の空も、争いを封じ込める力には成り得ないのか?

愛しいもの、美しいものを守りたい想いはすべての人にあるはずだけれど、ほんとは何を守っているのだろう。
何を守りたいの?

きのうは、終戦記念日。
夜のTVの、護憲、改憲の討論を聞きながら思った。
いつの世のも、こうして議論を重ねながらも、人は過ちを犯す歴史を繰り返している。

0707270032
青い花々(106)

カンパニュラサマンサ
水生植物園で見つけました。
数多い、カンパニュラ系でも、夏中咲くらしく、ぜひ一株ほしい品種です。

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コメント

つれづれさんへ
命を犠牲にして、守り残された人は、一番大切な人をなくして、平和になれるはずがありません。
自分の息子達と同じ世代の若者達が、どんな思いで死んでいったのかと思うと、胸が痛みますね。そして親はどんな気持ちで、戦場へ送り出したのでしょう。
宇宙から見た地球には国境がないと、ある宇宙飛行士が言いました。国境がなくなれば、戦争ってなくなるのかな~?

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月19日 (日) 23時13分

ムムムさんへ
大きなうねりに自分が巻き込まれていても、気づかなかったり、気づいても逆らえない状況が生まれたら、皆同じ行動をとるのでしょうね。
ニュースを見てると、なんだか嫌なことばかりで、50年後の世界はどうなっているのだろうと不安になります。

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月19日 (日) 23時02分

愛する家族を守るため 美しい祖国を守るため・・・と信じた
若い命がたくさん失われました。
”守る”という美しい言葉の響きは 私たちのいろんなものを
見失わせてしまうような気がします。
”何を守りたいの?”というネモフィラブルーさんの?は
心にドスンと響きます。

投稿: つれづれ | 2007年8月18日 (土) 08時05分

ブルーさんの記事を読んでいて、チャップリンの独裁者の映画を思い出してしまいました。・・その枠から離れていたらいかに狂気かが見てとれるのに、それに飲み込まれていくと狂気とも感じなくなってしまう。
憲法9条のことでもそうだけれど、日常生活の中で狂気になっていく前の空気を感じ反応する・・・これが大切なんだろうけれど・・ひょっとして私などそういうのに反応できない凡人かもしれない(といってはいけナインだけど・・もちろん大義名分のある戦争なんてないと思っているが)と、情けなく感じるときがあります。

投稿: ムムム | 2007年8月17日 (金) 22時03分

Happyばあばさんへ
映画好きなので、「戦場のピアニスト」も見ましたよ。悲惨な戦場と、ノクターンの見事さが、よけい悲しく響きましたね。
「善きひとー」は秀作でした。
頭で今わかっていることも、狂気のような戦争の最中では、自分もなにもできない一人になってしまうのだろうと思います。
そこに行くまでに防ぐ英知を、人は持っていると信じたいのですが。

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月17日 (金) 11時06分

あきのさんへ
北朝鮮から脱北した人が、韓国の経済優先の生活に耐えられず、帰国したいと言っている番組を見たことがあります。
自由な生活を得ても、お金がないと、何かと不自由な西側社会。
人間性を取り戻すために開放された東ドイツの人が、今、人間性をとりもどすために、昔の名残のある東ドイツに戻っていくとは、とても皮肉だけど、よくわかりますね。
自由で、豊かな生活は、あまりにも多くのものを犠牲にもしています。

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月17日 (金) 10時44分

ロココさんへ
「恐竜」は自ら滅ぼすことはないけど、人間は人間自身で、滅ぼしかねないという違いが、ちと悔しいです。
昨日も、地球の温暖化が急速に進んでいるとニュースで言ってました。
子、孫の時代がどんな時代を迎えるのか、考えたくないけど、事実は事実として認めざるを得ません。
暑すぎて、青い花達もぐったりです。
来年、どんなのを植えるのか期待してます。

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月17日 (金) 10時26分

ossさんへ
実際の世界の情勢や、過去の経緯を見ると、悲観的にならざるを得ません。
いい材料がないですよね。
つい最近までの、まだまだアナログ時代が背景の映画なので、希望が持てたのだと思います。
サマンサは、うちにも来て欲しいでしょ?

投稿: ネモフィラブルー | 2007年8月17日 (金) 10時19分

私も見てみたいです。
以前見た「戦場のピアニスト」も胸打たれる作品でした。見られました?
その作品ではショパンのノクターンが、ナチス将校の心に届き、運良く1人のユダヤ系ポーランド人ピアニストの命を救ったわけですが、国を動かす力にはやはりなりえなかった。敵も味方もそれぞれ家族や心に秘めるものもあるのに、相対すると、狂気にかわる・・恐ろしいですね。

投稿: Happy ばあば | 2007年8月17日 (金) 09時41分

いい映画でしたね。憶えて置きます。
先日東ドイツ側に家を移した芸術家の話がテレビにでました。東ドイツだったところに住むと人間性が良いと。西側は経済が主流になって、そうしたものを破壊するようでした。
十五日の夜は、憲法についての討論を見ました。やはり反対しなくてはと考えるのですが、聞いているうちに分からなくなりそうなほどいろいろな意見が出ました。

投稿: あきの | 2007年8月17日 (金) 06時45分

人はおろかなんですよ!無くして始めて、そのものの価値が解るんだと思います。それが例え「青い地球」でも。
宇宙規模、地球規模で見れば不変は絶対にあり得ない!!かつての王者「恐竜」が滅びたように、人間もいつかは・・・それはもう仕方のない定めだと・・・。今はただ私の器の範囲で私らしく精一杯生きるしかないのだと・・・。
自分で書いていて、だんだん自分が何を言いたいのか解らなくなってきました。ヤッパリ柄じゃない・・・トホホホ
カンパニュラ・サマンサ夏には貴重な青い花ですね。ロココも来年の夏花だんの半分は、青い花系を作りたいと・・・。

投稿: ロココ | 2007年8月16日 (木) 23時02分

私も見たくなりました。
どんな芸術も、戦争をとめる力は無いのだと
思います。私は悲観論者です。><);;
夏中咲いている、カンパニュラ・サマンサ
一株ほしいですね。

投稿: oss102 | 2007年8月16日 (木) 21時09分

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