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2006年11月25日 (土)

一泊置く

先日、自治会の防災訓練があって、組長当番をしている今年は、率先して参加。
担架の組立方や運び方、消火器の使い方など、真剣に学んだ。(つもり)
最後に消防署の方が「消防署が個別に消火器を販売することはありません。騙されないようにしてください」と言われて、悪夢がよみがえった。

「○○さーん。消防署から来ました」と鍵をかける人なんかいない、そのころのオンボロアパートの玄関で声がした。制服っぽい上着を着た、二人連れの男性が、
「こんど各家庭に消火器を設置して頂くことになりました。 こちらは置いてますか?」
「いいえ」
「それでは、買っていただくことになりますね。」
「そうですか?」
「火元は、台所とお風呂ですか? それなら2本備えなければなりません」
ハイ  でいくらですか?
「1本1万円で、2万円です」
「えーっ?」思ったけど、生活費をかき集めて支払う。
二人は、赤いペンで持っていた名簿らしきものにチェックを入れると、「火元には気をつけて下さい」と頭を下げて、消火器の使い方を説明するでもなく帰っていった。

30分後に、ご近所でも被害があったと、来られた警察官の説明で、はじめて騙されたと気づかされた。
生活費がすっかりなくなったことも、騙されたことも、都会は怖いと思ったことも、悔しいやら情けないやらで涙がこぼれた。

明日からの生活はどうなるんだろう?2万円は、家賃の2か月分。
どうして「買えません」って言えなかったんだろう。
結婚して、地方から出てきたばかり。
夫はまだ学生で、親の援助は受けていなかった。
大学から帰った夫は、
「これからはなんでも一泊置くんだよ」と言って、アルバイトの数を増やしてくれた。
いまでもこの言葉は私の教訓になっている。

一泊置いて、ゆっくり考えたら見えてくることがある

30年以上も経つと、TVを見ながら、「振り込詐欺なんか、何で引っかかるんやろ 不思議やわ」とうそぶく、立派なおばちゃんに成長した。

            * * * * * * * * * *

歴史に興味のある方のために、高桐院の細川忠興・ガラシャ夫妻のお墓を載せておきます。細川元首相が退陣の時に引用した、光秀の娘ガラシャ夫人の時世の句です。 

  散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ

いつもながら解釈は自分でお勉強してください。

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コメント

misaoさんへ
misaoさんらしい、ポジティブなコメントで、いいなーと思いました。
いろんな、犠牲の上に今日がある。
私は未来の誰かの役にたったようです(笑)
若い頃は、出来なかったり、言えなっかったことも、だんだん平気になり、それがいいのか、悪いのか?
あの手、この手の、最近の詐欺のニュースを聞くと、お金を持ってなくてよかったと思っています。

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月29日 (水) 09時14分

コーラルさんへ
人生は、時としてドラマよりドラマティックです。これぐらいはどこでも見られる光景ですが、私達夫婦は、普通より、かなりドラマティックに過ごしてきました。
でも、ガラシャ夫人に比べれば足元にも及びませんね(笑)

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月29日 (水) 09時01分

慎ましく暮らしている若い純粋な奥さんに、そんなアコギな事をするなんて。
恥を知りなさいっ!!って、大声で言ってやりたい・・・
悔しくて涙がこぼれた気持ち、わかります。
でも、優しいだんな様がいてくれてホント良かった良かった。

今の振り込めサギが話題になっているように、昔消火器サギも話題になりました。
話題になってからだったら騙されなかったのにね・・・
最初に騙された人は後に騙されないですんだ人の役にたった、とも言えますよね。

投稿: misao | 2006年11月28日 (火) 22時35分

こんばんは。ご夫妻の暖かな暮らしぶりがジーンと伝わってきます。
怒らずに、アルバイトを増やすなんて、いいひとなんですね。(涙)
ドラマのワンシーンが浮かんできました。
「細川ガラシャ夫人」読みました。随分前で、作家は・・・。井上靖だったかな?

投稿: コーラル | 2006年11月28日 (火) 20時56分

慶ちゃんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
慶ちゃんさんとは言えないし、ちゃん付けは親しみのある呼びかけが出来ていいですね。
でも、自分の子を他人にちゃん付けするのはやはり?ですね(笑)
若い頃、誰でも経験する苦い体験ですが、純情だったなとなつかしいです。

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月27日 (月) 12時16分

chiyomiさんへ
お仲間がいて、それもchiyomiさんでうれしかったです(笑)
ビディの母さんへのchiyomiさんのコメントを読んで、いろいろ感じています。
まじめで、やさしく、深い気の使い方が出来るchiyomiさん。みんなchiyomiさんが大好きで、いっぱいお話したいのですが、私達はchiyomiさんの大切な時間を、削り取ってはいませんか?
私は、必ずchiyomiさんの記事を読んでいます。私と同じ年で、同じように夫が大好きで、周りのすべての人に誠実なchiyomiさんのブログの大ファンです。
仮にコメントなくても、私の、記事も読んでいただいていると、信じられます。
年をとると、規則正しい生活が、健康の源です。睡眠は大切です(これは実体験から言っています)。
おせっかいな私の性格がもろにでて、ごめんなさい。


投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月27日 (月) 11時59分

あきのさんへ
お年よりは、ほんとターゲットにされやすいので、気をつけないといけませんね。
たまには断りついでに、電話で説教してやったらどうですか?
自分の息子の声も判断できなくなるのかと、不思議ですが、幸いまだ被害に遭ってないので、えらそうに言えることです。

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月27日 (月) 11時00分

はじまして、慶です。いつも素敵なブログだなと感心してみています。今日のお話は、ほろ苦いけど、いいお話ですね。やさしい思いやりあるご主人の姿が伝わってきて、その時のあなたの気持ちが切なく私の胸に響きました。

投稿: 慶ちゃん | 2006年11月27日 (月) 00時32分

chiyomiさんも結婚して一番初めに騙されたのが消火器です。懲りないので二番目も、三番目もあります。(^_^;)
さすがブルーさんのご主人です。いいお話ですね。これからもいっぱいご主人との思い出話聞かれるかなって楽しみにしています。
ムムムさん
あわてて写真を探しました。ありました、ありました。釣鐘状に白壁をくりぬいた所から若くて美しいchiyomiさん?が微笑んでいました。いいかげんな記憶で書いてしまいごめんなさい。大仙院書院庭園と書かれた石柱の横で写っているのもありましたので間違いないです。

投稿: chiyomi | 2006年11月26日 (日) 22時08分

わたしの叔母も、シロアリで床下に240万円も騙されました。いろいろ近くに忍び寄っています。投資の電話もよくかかります。そんなときは急に声質を変えて(変えなくても十分年寄り声ですが)「わたしは留守番なので何にも分かりません」とか「お金がないけど、どうすればいいですか」何て言うと相手はすぐに切ります。

投稿: あきの | 2006年11月26日 (日) 10時36分

ぴぴさんへ
私だけが、大変だったと思っていたけど、あの頃は、皆そうだったんでしょうね。
貧しいけど、小さな事にも、喜びを感じるいい時代だったと思います。

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月26日 (日) 09時49分

micoさんへ
若い頃は誰しも、似たような思い出があると思います。
たくさんの経験をつんで、立派な関西のおばちゃんになれました(笑)

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月26日 (日) 09時44分

ムムムさんへ
そう今から思えば、騙された自分が悔しいのが一番だったのでしょう。
鷹ケ峰は、マツタケ狩りに行って、1本も採れなかった思い出があります。
「そうだ京都へいこう」っていいコピーですね。ほんとそう思って先日も行きました。
ちなみに滋賀は、「だから滋賀」です。

投稿: ネモフィラブルー | 2006年11月26日 (日) 09時42分

そうそう新婚時代の思い出、沢山思い出しましたよ。失敗色々あったなぁ・・・新聞代1000円払うのも大変でした。(今もでーす)

投稿: ぴぴ | 2006年11月25日 (土) 22時16分

こんばんは
若い頃の苦い思い出・・・
何だか悔しい~
ご主人優しいですね。

投稿: mico | 2006年11月25日 (土) 18時58分

ネモフィラブルーさん、ご主人が学生のとき結婚されたんですね。その当時の1万、2万て大金ですよ。でも、夫様はやさしいんですね。騙されるのは口惜しいものですけど。
散りぬべき 時知りてこそ・・が、胸に染みる。
前回書いた大徳寺大仙院の窓は釣鐘型のような窓で、○のはないかも。(chiyomiさん、あやふやです。)「そうだ京都に行こう」のポスターに載った源光庵(鷹ヶ峯)には悟りの窓というまーるい窓があります。(その前に座っても悟れませんでしたが。・・悟りは1日にしてならず。ションボリ)

投稿: ムムム | 2006年11月25日 (土) 18時16分

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